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日本の桜といえばソメイヨシノが最も有名ですが、実は国内には600種類以上もの桜が存在します。これらの桜は、もともと日本に自生する11種の「基本野生桜」から生まれました。
古くから日本人に親しまれてきたヤマザクラは、その名の通り山に咲く桜の総称としても使われますが、正式な品種名でもあります。奈良・吉野の桜で知られるのもこのヤマザクラです。ほかにも、ソメイヨシノの交配元となったオオシマザクラやエドヒガンザクラなどが基本野生桜に含まれます。

これらの野生桜を交配して作られた品種群は「里桜」と呼ばれ、ソメイヨシノもその一種です。一方で、自然交配によって生まれた桜も100種類以上あり、早咲きで知られる河津桜は、静岡県河津町で偶然発見されたものです。また、しだれ桜のように突然変異で生まれた品種もあります。

観賞用の桜と異なり、さくらんぼとして食べられるのは「セイヨウミザクラ」という品種です。一般的な桜の実は食用には向いていません。

日本各地には、寒冷地でも育つ桜や、ソメイヨシノが散った後に見頃を迎える桜など、多種多様な品種が存在します。花の命は短いものの、その多彩な魅力を楽しむ方法は無限に広がっています。